先物市場のテクニカル分析

ジョン J・マーフィー著

日本興業銀行国際資金部訳

テクニカル分析の前提は三つある。

A 市場の動きはすべてを織り込む。

B 価格の動きはトレンドを形成する。

C 歴史は繰り返す

第1章 2. 哲学と論理より

目次は以下のようになっており、テクニカル分析の詳細~資金管理~トレード戦略まで網羅した内容となっている。トレーダーとしての第一歩となった大切な一冊である。

目次

  • 第1章 テクニカル分析の哲学
  • 第2章 ダウ理論
  • 第3章 トレンドの概念
  • 第4章 主要なリバーサル・パターンの研究
  • 第5章 コンティニュエーション・パターン
  • 第6章 出来高と建玉
  • 第7章 移動平均
  • 第8章 オシレーターと反対意見
  • 第9章 イントラ・デー・ポイント・アンド・フィギュア・チャート
  • 第10章 3枠反転基準と最適ポイント・アンド・フィギュア
  • 第11章 エリオット波動理論
  • 第12章 タイム・サイクル
  • 第13章 マネー・マネジメントとトレード戦略
  • 第14章 要約と統合ーチェック・リスト

先物市場のテクニカル分析

ここでは、第13章 マネー・マネジメントとトレード戦略から一部をご紹介したい。

先物取引において成功を収めるのに欠くことのできない3要素とは、①価格予想、②タイミング、③マネー・マネジメントである。

第13章 2. 商品先物取引成功の3要素より

トレーダーは、①価格予想や②タイミングのことばかりに気を取られ、マネー・マネジメントを疎かにしがちである。しかし、著者はマネー・マネージメントを「欠くことのできない要素」と表現している。

マネー・マネジメントなしではトレードであまり長くは生き残れまい。先物市場で生き残れるか否かは、マネー・マネジメント次第である。

第13章 3. マネー・マネジメントより

著者は一般的なガイドラインとして、次のようなものを推奨している。

  • 投資の合計額は資金の50%
  • 一つのマーケットに投資する金額は、資金の10~15%
  • 一つのマーケットに対するリスク金額は、資金の5%以内
  • 同種のマーケットグループに対する証拠金は、総額で資金の20~25%

また、ポジションの金額(大きさ)について次を推奨している。

  • 10%ルール(資金が10万ドルであれば、1万ドル)

FX的な文脈に簡略化すると、

  • 損切額を資金の5%以内
  • ポジションに必要な証拠金を資金の10%以内

とする資金管理となる。

すぐれたトレーダーでも全トレードの勝率は約40%といわれるが、まったくそのとおりである。多くのトレードは損失に終わる。では、負けの回数の方が多いのにどうしてもうけられるのだろうか。

第13章 8. リスクと期待収益の比率より

その答えを是非本書を通して学びたい。

先物市場のテクニカル分析