マーク・ダグラス 著
世良敬明 訳
自分の理想像は、自分で成長させなければならない自分の将来像である。
第1章 成功への扉 「心理分析への転換」から
トレードの本質に基づいた「トレーダー的心構え(姿勢と信念)」を余すところなく解説した書。
目次
- 第一章 成功への扉
- 第二章 トレードの誘惑(そして落とし穴)
- 第三章 責任を取る
- 第四章 一貫性ー心理状態
- 第五章 認識の力学
- 第六章 マーケットの観点
- 第七章 トレーダーの優位性ー確率で考える
- 第八章 信念の役割
- 第九章 信念の性質
- 第十章 信念がトレードに及ぼす影響
- 第十一章 トレーダー的思考法
ここでは、「第七章 トレーダーの優位性ー確率で考える」から一部紹介したい。
典型的なトレーダーには理解しがたいことだが、カジノのオーナー、経験豊富なギャンブラー、そして最高のトレーダーは「自分に勝算があり、それを裏打ちする標本が十分にある場合、確率的結果を生む事象は一貫した結果を残す」ことをよく理解している。最高のトレーダーは、プロのギャンブラーやカジノ業者のギャンブルに対する考え方と同じように、トレードを確率のゲームとしてとらえているのである。
第7章 トレーダーの優位性ー確率で考える 「逆説ーランダムな結果と一貫した結果」から
初めてこの文章を読んだとき、「カラクリの裏側」あるいは「手品の種」を教わった感覚になったことを覚えている。それは当時よく行っていた近所の公園にあるドッグランでウチの犬が嬉しそうに走り回っている間の出来事で、スマートフォンのKindleで本書を読んでいた時だった。
著者は、「ミクロレベルでの信念」と「マクロレベルの信念」の両方を同時に信じる必要があることを説く。
「ミクロレベルの信念」とはすなわち、一回一回のトレードが不確実であることを信じることであり、「マクロレベルの信念」とは、十分な標本のある自分の優位性がもたらす結果を信じることである。別な言葉で言うと、見出しに使われている「ランダムな結果」と「一貫した結果」ということである。
この両方の信念を同時に貫ける者が最高のトレーダーということになる。是非本書を通じて「トレーダー的心構え」を学びたい。